「Got A Monkey On My Back (ブルーズに執り憑かれて)」

Lee Addison(WHOLE LOTTA LED)

15歳の時からブルーズ狂の僕は、Whole Lotta Ledでブルーズオンリーのセットを演ろうという案が出た時、ごく控えめに言って、大変な興奮と期待感を持った。
元々、僕がブルーズにはまったきっかはLed Zeppelinだった。彼らのブルーズはあっという間に僕を熱狂に陥れ、以来、魅了し続けて止まない。

ブルーズについての誤解は今日においても尚、存在する。即ち、ゆっくりしたテンポの、寒々しく、悲観的な音楽であるという理解のされ方だ。
しかし、それは全く本質的じゃない。ブルーズとは、緊張をほぐし強い感情を開放する為の自己表現の全体像を指すのだ。
音楽的な完成度よりも、本物の感情を紡ぎ出す方法論のようなもの。
その内容が喜び、悲しみ、或いはいかなる情動であろうと。

Led Zeppelinを捕らえたのもまさにこの部分だった。
彼らは、特にロバートプラントは、1920-30年代の初期デルタブルーズに影響を受けたようだ。
殆どが6弦アコースティックギターで伴奏をつけた一人の演奏者によるもの-Robert Johnsonが例として筆頭に挙げられる。
もう一つの影響は、1940-50年代のシカゴブルーズ。この時代には殆どエレキ使用になっていて、ハープやスライドギターやピアノ等が要の楽器になった。
ウィリーディクソンとハウリングウルフの曲はLed Zeppelinの初期のアルバムに入っているが、この二人はシカゴのブルーズシーン出身者達だ。同出身者達の中でもカントリ-ブルーズマンの’ブラインド’ウィリージョンソンからのインスピレーションは多大だ:'Nobody's Fault But Mine'、そして原題が'Jesus, Make Up My Dying Bed'である’In My Time Of Dying'。


これらの曲にLed Zeppelinが施した彼ら流のアレンジを、僕らは非常に気に入っている。
60年代のブルーズブームは世界的に偉大なヴォーカリスト達を輩出した。この音楽の一スタイルはシンガー達に真の表現を可能にした。そして、’嘆くが如く歌う’白人シンガー達;ロバートプラント、スティーヴマリオット、ジャニスジョプリンらは、その純粋な激しさをたたえた表現力で僕を驚嘆させ続けて止まない。

Led Zeppelinの曲には在りとあらゆるタイプの音楽が採り入れられたが、常にブルーズ色を身に纏っていた。'Since I've Been Loving You'、そして'Tea For One'は、Led Zeppelinのスローブルーズとして知られている2大オリジナルナンバーだ。これらの曲をジミ-ペイジが弾く時、見せてくれるものはまさしく、最高に威厳に充ちたブルーズの演奏なのだ。

ロバートプラントは、シンガー達の中でもとりわけブルーズへの傾倒で知られて来た通り、その歌唱表現に衝動と強烈さ備え、そののびやかさとソウルフルさは不変のものだ。僕としては、今回5月より、ブルーズをフィーチャーして行く特別な機会に恵まれた事が、凄く嬉しい。

- 叫ぶ事。子供の頃は皆、やっていた筈!









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