ZEPは新聞記事にどう書かれたか?
        関西の新聞より

  1971年9月4日
「ビートルズの人気を奪う」
レッド・ツェッペリン来日

 イギリスの音楽誌「メロディメーカー」で8年間首位にあったビートルズの王座を昨年の人気投票で奪ってしまったニューロックのグループ、レッドツェッペリンが9月21日に来日する。ブラッドスエット&ティアーズ、シカゴ、グランドファンクレイルロードに続くロックカーニバルへの参加でこの路線のピークともいうべきコンサートだ。
 最近の若者たちのロック熱は異常なほどで、7月の東京の後楽園におけるGFR公演は、雷雨の中で3万数千人のファンが集まったほど。レッドツェッペリンは第1次世界大戦で活躍したドイツの飛行船から取ったグループで、メンバーはジミー・ペイジ(リードギター)ロバートプラント(ヴォーカル、ハーモニカ)ジョンポールジョーンズ(ベースギター、オルガン)ジョンボーナム(ドラムス)の4人。
エコー・マシーンやエレクトロニクスの操作による複雑なそしてダイナミックな音作りに加えて、生ギターによるソフトなサウンドを効果的に使っている特色。ビートルズ同様アメリカに殴り込みをかけたのが1969年7月にニューポートジャズフェスティバルで、9万人の聴衆の熱烈歓迎を受けた。
 すでに「レッドツェッペリンT」「同U」「同V」のレコードで、日本でもファンが増大しつつあり、最近は4枚目のアルバムも完成した。東京公演は9月23日午後6時半と24日2時からの2回だけ。九段の日本武道館で。
 
   1972年9月26日
「レッドツェッペリン28日に再来日」
東京公演は来月2.3日

 昨年9月に来日し、東京、武道館で1万6千の観客を動員したイギリスのロックグループ、レッドツェッペリンが28日二度目の来日をする。
 このグループは、ジミー・ペイジ、ジョン・ボーナム、ジョン・ポール・ジョーンズ、ロバート・プラントの四人からなり、日本でも「ブラックドッグ」「胸いっぱいの愛を」「移民の歌」などがヒットした。強烈なロックで定評があり、日本では高校生層に大きな人気を持つ。
 昨年の来日の時は、彼ら自身の希望で広島市でチャリティコンサートを開いて無料出演し、売り上げ総額700万円を広島市に寄付した。その時「ロバート・プラントは「ぼくたちが生まれた時、既に原爆は落とされていた。僕たちに罪はないけれど、僕たちの仲間の”過去”がやったことで、その事を申し訳ないと感じる。音楽は人々に平和と楽しさを与えるものだ。」と語っていた。
 昨年に比べて、今年はハードなロックグループの来日が少なかっただけに、ハードロックファンに喜ばれよう。東京公演は10月2,3日の両日午後6時半から日本武道館。
   1977年7月15日、映画の広告
   1979年9月8日
「男のロマンを感じる」
インスルー・ジ・アウト・ドア/レッドツェッペリン

 レッド・ツェッペリンの3年半ぶりの新作スタジオ録音である。トロピカル調あり、カントリー&ウェスタン調ありで、たしかに雑多な感じがしないではないが、それを強力に独自のサウンドにまとめ上げているのが鋼のような強さを持つ自分たちのサウンドへの自信なのだろう。
デビューして11年、もう中年バンドと言ってもいい。このツェッペリンが幾度かのかの転機を乗り越えて世界のロックファンのアイドルの座を保持しつけている事は驚くべきことだ。つまりこれほど確信に満ちて自分たちの音楽を徹底してつきつめて行くという姿勢は頑迷とさえ写るかもしれない。しかしこれほど男性的したたかさに満ちあふれたグループがこの10年間出てきただろうか。だから男のロマンを感じ取れるのだ。
   1980年1月3日
「外タレにやきもき」
レッド・ツェッペリンは?キッスは?

 ウイングス、レッドツェッペリンはいつ来るんだろ?・・・つい最近までロックファン最大の関心事は、この二つの大物の来日だったが、そのウィングスの日本公演が決まった。となると残るはツェッペリン。昨年は「決定!」のニュースまで伝わっていながら実現していない。ほかにもキッスは?ロッド・スチュワート、エアロスミスは?―など外人タレントの来日に対するファンの興味はつきない。
 ウィングス公演は1月21日東京を皮切りに、大阪、名古屋も合わせて計11
回。
約十万人の観客を動員する超A級のビッグ・エベントだ。入場料も東京(日本武道館)の四千五百円と普通だが、大阪(フェスティバルホール)は一万円というロックでは異例の高値がついた。これは”いれもの”の違いで、東京会場の入場者は一万人、大阪では二千六百人とあって、仕方ないのだという。
 興味深いのはポール・マッカートニーのギャラがいくらかという問題。そこでその台所をのぞくと、まず公演の入場料収入は約3億6千万。ここから税金、プレーガイド前売り手数料を引くと約3億円という巨額が残る。
 だが、これだけの大物になると出費もデカい。会場使用料(日本武道館が一日3百6十万円)。警備費を含めてステージ制作費が1日当たり一千万円、機材(音響、照明)運搬費だけでも十一回で二千五百万など、総経費がざっと二億五千万円で、差し引き一億五千万円。これらの数字と「今回の利益は大変少ない。」(ウドー音楽事務所)ということから逆算すると、ポール・マッカートニーのギャラは一億三千万、約五十万ドルと推定される。
 ロックの人気の頂点にあるツェッペリンだが、実は昨年十月日本公演が内定していた。夏にイギリスのネブワース・フェスティバルに出演直前の彼らから「秋にー」という連絡が入ったもので、ウドー音楽事務所も日本武道館を五日おさえたほどだが「訪日はやめました。」の連絡で<幻>に終わった。理由は最新LP「インスルー・ジ・アウト」の評判が良く、公演の目的であったレコードPRの必要がなくなったかららしい。さすが金持ちのグループは違うものだが、一片の通告でパーにされたウド―側はガックリ。
 それでは今年はどうか?
「絶対に来日させたいという意向で準備を進めています」とウドー音楽事務所の清水正徳興行部長は言うが、「相手がある事で」可能性は半々。「来るとすれば九月か十月。となると前売りは初夏。東京公演は日本武道館で六,七回でしょうね。」(同)いや、気のもめることではある。
 ツェッペリンと並んで「来日してほしいアーチスト」アンケートで強力人気のキッス。七六年七七年に来日しているが、こちらは「秋に来日予定です。」(ウドー音楽事務所)。久々に春から夏にかけて全米ツアーがあり、その後の事で、「ラビング・ユー・ベイビー」ヒット後、初のステージ、盛り上がりそう。
 注目されているアーチストがもう三つ。ローリング・ストーンズとエアロスミス、ロッド・スチュワートだが「ストーンズはキース・リチャードの麻薬事件有罪判決でもう無理。ロッドは今年レコード制作の年ですから来年」(音楽舎上野宣伝部長)。エアロも全く予定なしとのこと。「当分の間、ツアーはやらない」ということになっている。
―となると、期待できるのはキッスとツェッペリン。さていつ発表に?
   1980年6月13日、映画の広告。
   1980年9月26日
「ドラマーが変死」
レッド・ツェッペリン

 人気ロックグループ、「レッドツェッペリン」のドラマー、ジョン・ボーナム(30)が25日、友人宅で死体となって発見された。
 同グループの所属するレコード会社「アトランティック・インターナショナル」のスポークスマンは同日、ボーナムが「イングランドで死んだ」としか発表されなかった。だが、信頼できる話によると、ボ−ナムはロンドン四方のウィンザーにある同グループのギタリスト、ジミー・ペイジの家にいたという。死因は今のところ不明。
 
再結成≠フレッド・ツェッペリン、R.プラント(左)とJ.ペイジ
 1988年6月16日
レッド・ツェッペリン再結成
アトランティック40周年で1日だけ

 アメリカのしにせレコード会社、アトランティックが四十周年を迎え、さる五月十四日にニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで記念の大コンサートが開かれた。
 出演者はロック、R&B、ジャズの計三十四組。午後一時三十分から延々十二時間にわたって、熱演が続いた。
 最大の話題は、伝説のロックバンド、レッド・ツェッペリンの一日だけの再結成。ジミー・ペイジ、ロバート・プラント、ジョン・ポール・ジョーンズに、故ジョン・ボーナムの息子のジェイソンが加わった。一九八〇年の解散以来、二世がいるとはいえ、フルメンバーで演奏するのは初めて。
 このコンサートは、黒人青少年を対象にした奨学資金作りのチャリティーも兼ねた。
 そのほかの主な出演者は、ダン・エクロイド、ビージーズ、フィル・コリンズ、ロバータ・フラック、フォリナー、ベン・E・キング、マンハッタン・トランスファー、イエス。
 当日の模様は、三十日深夜零時三十分から、朝五時まで、フジテレビ系で放送される。
   2007年12月11日
「一夜限りの伝説」
ツェッペリン復活

1970年代に一世を風靡(ふうび)した英国の伝統的なロックバンド、レッド・ツェッペリンの復活コンサートが10日夜、ロンドン郊外で開かれ、世界中のファンが詰めかけた。コンサートは、所属していたレコード会社の創設者の死を追悼するために一夜限りで企画されたチャリティーイベントで、125£(約28000円)のチケット約2万枚の抽選に100万人以上が応募するなど、英国内外で大きな注目を集めていた。コンサートでは、約20年ぶりにギタリストのジミー・ペイジさん(63)ら3人がしりって舞台に立ち、「天国への階段」など往年のヒット曲を約2時間にわたって次々と披露。会場のファンは久々のライヴに熱狂した。
 

ボーナムが亡くなる前、「次のアルバムは、よりハードにしようと話していた」。
と、振り返るジミー・ペイジ
2012年11月29日 
レッド・ツェッペリン「祭典の日」

 1970年代を代表するロック・バンド、レッド・ツェッペリン。研ぎ澄まされたサウンドで圧倒的な人気を獲得したが、2007年に行なわれた一夜限りの復活公演を記録した「祭典の日(奇跡のライヴ)」(ワーナー)が発表された。CDやDVDなどで当日の様子が楽しめる。来日した中心人物のジミー・ペイジに、作品への思いを聞いた。

 バンドは1969年にデビューアルバムを発表。ブルースをベースに自在に展開するペイジのギター、ロバート・プラントのハイトーンのボーカル。ドラムスのジョン・ボーナムとベースのジョンポールジョーンズが作り出す圧倒的なグルーブ感と、抜きんでた存在感を放った。
 80年にボーナムが死去し、解散を余儀なくされたが、今も人気や評価は衰えない。復活公演は、レコードを出していたアトランティック・レコードの創設者で、2006年に亡くなったアーメット・アーティガンにささげるため、ロンドンで行なわれた。
 「キャリアすべてを網羅するステージにしたかった」と語るように、「天国への階段」や「カシミール」など代表曲が並ぶ。当日は、「とにかく、聴衆にショックを与えたいと思っていた」と振り返る。ドラムスは、以前にも共演歴のあるボーナムの息子、ジェイソン・ボーナムが担当した。
 「ドラムスは彼以外に考えられなかった」。実際、ジェイソンの演奏は素晴らしく、貫禄ある60歳代のほかのメンバーに負けてはいない。
 映像では、ペイジが実に楽しそうに、笑顔でステージに立っていたのが印象的だ。「自分たちでも演奏していて満足感や安堵があったからね。でも(映像の)監督が、笑顔を強調し過ぎているかもしれない。自分たちには緊張感もあったんだ」
 ペイジは解散後も様々な活動を行なっている。「自分ではいい音楽を作り続けていると思う。でも、ビートルズやピンク・フロイドも同じで、そのメンバーでしか作れない音楽というものがあるんだよ」。たしかに「祭典の日」を聴くと、誰もかなわないのではないかという力強さがある。
 それゆえに、ツェッペリンとしての活動継続を求める声も強かった。「メンバー全員がステージで、大きな刺激を受けた。なぜ、あの後続けようという話にならなかったのか、自分でも分からない」。再結集の日が来ることを期待したい。
   2014年6月5日
ツェッペリン人気、衰えず
初期3作品リマスター盤
ジミー・ペイジに聞く 「今でもエキサイティング」

ハードロックの代表格、レッド・ツェッペリンの初期3作品のリマスター化高品質化)盤がワーナーから発売された。デラックスエディションには、ライヴや未発表曲などを収録した「コンパニオン・ディスク」も付いてくる。今なお人気の高いツェッペリンについて、来日した中心人物、ギタリストのジミー・ペイジに聞いた。

 今年1月に発表されたグラミー賞では、ツェッペリンの「祭典の日(奇跡のライブ)」が最優秀ロックアルバム賞を獲得した。2007年に行なわれた一夜限りの復活公演の模様を収めた作品で、80年の解散から30年以上たった今も、彼らの人気や評価が衰えていないことを証明した。
 今回発売されたリマスター盤は、1969年の1作目から70年の3作目まで。ペイジは1作目について「自分たちで資金を用意し、レコード会社から離れて、何の指図も受けずに作った」と振り返る。ブルースを基調にしながら、よりハードでダイナミックなスタイルはこの時点ですでに確立されていた。2作目は「ツアーしながら作ったアルバム」。1作目の成功で多忙となり、コンサートツアーの合間に短期間で制作された。代表曲の一つ「胸いっぱいの愛を」などが収録された勢いのあるアルバムだ。そして3作目は「ツアーを休んで、ゆっくり曲を作った」とされる。フォーク色が強く、彼らのもう一つの側面を示す力作だ。
 今後もこのリマスター企画は続いていく。新たな作業により、それぞれの楽器の音がより鮮明となり、浮き立って聞こえるようだ。「初期のCDは音がよくなかったと思う。今は技術が向上している。個人的にはアナログで聴くのが一番だけどね」。さらにファンを喜ばせているのは、未発表音源を収録した「コンパニオンディスク」だ。ライヴ音源のほか、当時のアルバムに収められたものとは異なるバージョンの楽曲が楽しめる。歌の入っていないものや楽器の構成が違うものなどが並ぶ。「サウンド作りの裏側が分かるだろう。どうやって楽曲が出来上がったのか、理解できると思う。僕たちには熱心なファンがたくさんいるからそういう過程を教えてあげたかったんだ」とペイジ。
 「コンパニオン ― 」のために過去の自身の音源を大量に聴いたという。そして「今でもエキサイティングであることが分かった」と自信を見せる。今年70歳になったが、そろそろ演奏活動に戻ろうかというペイジ。その動向が注目される。


 zoso_ledzep4_yyさん、ありがとうございました

1971.9,28













 




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